2025.02.16

#WEB解析

Googleタグマネージャー(GTM)って何?

WEBサイトのアクセス解析や広告効果の計測など、各種ツールを利用するにはタグを該当ページのHTMLに設置する必要がありますが、これを手作業で管理するのは非常に手間がかかります。

特にサイト規模が大きい場合、タグの更新作業が負担となり、マーケティング担当者が直接管理するのは現実的ではありません。そこで「Googleタグマネージャー(GTM)」を導入すると、タグの追加や更新を専用の管理画面から簡単に行えるため、業務の効率化につながります。

本記事では、GTMの基本的な役割や実務での活用ポイントを初心者の方向けに解説します。

Googleタグマネージャー(GTM)とは?

Googleタグマネージャー(GTM)は、WEBサイトに設置する様ざまなタグ(コード)を一元管理するツールです。

Googleタグマネージャー
https://marketingplatform.google.com/intl/ja/about/tag-manager/

タグとは、Google Analyticsや広告の効果測定ツールなどを利用するためにWebサイトに埋め込む、小さなプログラムコードのことです。これにより、ユーザーの行動を記録したり、サイトの訪問状況を分析したりできます。

GTMを利用すると、最初にGTMのスニペットコードをWEBサイトのHTMLに埋め込むだけで、以降はその他のタグを直接HTMLに埋め込む必要がなくなります。これにより、専用の管理画面から簡単にタグの設定・更新ができるようになります。

Googleタグマネージャーの主な特徴

・複数のタグを一元管理
・コード編集が不要
・タグの発動条件を簡単に設定可能

例えば、Google広告のコンバージョン計測タグをWEBサイトに追加する場合、通常はHTMLにコードを埋め込む必要がありますが、GTMを使うと、タグを管理画面で設定し、条件を指定するだけで設置が完了します。

Googleタグマネージャーを使うメリット

Webサイトのタグ管理は、マーケティング活動の成果を正確に測定し、効率的に運営するために欠かせない要素です。しかし、タグの追加や修正をその都度開発者に依頼すると、時間やコストの面で大きな負担となります。Googleタグマネージャー(GTM)を導入することで、マーケティング担当者が自らタグを管理できるようになり、作業の柔軟性やスピードが向上します。本章では、GTMを活用することで得られる具体的なメリットについて詳しく解説します。

タグの設置・更新の手間が大幅に削減される

GTMを導入しない場合、新しいタグを追加するたびにHTMLコードを編集する必要があります。例えば、広告キャンペーンのタグを設定する際には、開発者に依頼し、コードを埋め込んでもらう作業が発生します。これには時間とコストがかかり、運用の負担となることが少なくありません。しかし、GTMを活用すると、コードの直接編集は不要になり、マーケティング担当者が管理画面から簡単にタグを設定・更新できるようになります。

例:
GTMを使わない場合: 開発者に依頼 → コードの編集と確認 → サイトに反映(数日〜1週間)
GTMを使う場合:管理画面で設定 → 即座にプレビューと公開(数分〜数時間)

新しいタグを追加する際や既存のタグを修正する際も、即座に反映できるため、キャンペーンのタイミングに合わせた迅速な対応が可能です。

タグ設定時のエラーを最小限に抑えられる

タグを手作業でHTMLに埋め込む場合、誤ったコードの入力や設定ミスが発生するリスクが高くなります。GTMを利用すると、プレビュー機能を使ってタグの動作を事前に確認できるため、公開前にエラーを検出し修正することが可能です。これにより、データの欠損や計測ミスを防ぐことができます。

タグ管理を一元化し、運用の負担を軽減できる

Google AnalyticsやFacebookピクセル、広告タグなど、複数の計測ツールのタグを一つの管理画面で統合管理できます。これにより、各タグの設定状況や目的を一目で把握できるため、管理の手間が大幅に削減されます。例えば、どのページにどのタグが設定されているかを容易に確認ができたり、誤ったタグの重複設置や設定ミスによるトラブルを未然に防ぐことが可能です。こうした管理負担の軽減により、マーケティング活動をよりスムーズに進めることができます。

Googleタグマネージャー導入にあたっての注意点

GTMを導入すると、タグ管理の負担が大幅に軽減される一方で、正しく運用しなければトラブルが発生する可能性もあります。導入にあたり、以下の点に注意しましょう。

初期設定を適切に行う

GTMのスニペットコードをWEBサイトの正しい位置に設置することが重要です。不適切な位置に設置すると、タグが正しく機能しなかったり、データ収集に問題が発生したりする可能性があります。

また、GTMの設定にはサイトの構造や運用フローを考慮する必要があります。例えば、不要なタグが誤って配信されないように適切なトリガー設定を行う、計測データの重複を防ぐためにGoogle Analyticsとの連携を慎重に設定するなど、導入前に十分な設計を行うことが重要です。

アクセス権限を適切に管理する

GTMは複数のユーザーで管理できるため、権限設定が不適切だと、意図しない変更が加えられるリスクがあります。管理者権限は限定し、操作できる範囲を適切に設定しましょう。

不要なタグを増やさない

GTMを使うとタグの管理が簡単になるため、不要なタグを追加しすぎてしまうケースがあります。タグが増えすぎると、サイトの表示速度に影響を与えたり、管理が煩雑になったりするため、定期的にタグを整理し、不要なものは削除するようにしましょう。

プレビューモードで動作確認を行う

GTMにはプレビューモードがあるため、タグを公開する前に必ず動作確認を行いましょう。誤った設定のまま公開すると、計測ミスやタグの競合による不具合が発生することがあります。

GTMは便利なツールですが、適切に運用しなければ十分な効果を発揮できません。導入時にはこれらのポイントを押さえ、慎重に設定を進めることをおすすめします。

Googleアカウント管理はどの部署が行うべき?

Webサイトを運営する際や広告配信を行う際には、さまざまな計測タグを設置する必要があります。これらのタグはサイトの見た目には影響を与えないため軽視されがちですが、正確なデータを収集し、マーケティング施策の効果を測定する上で非常に重要な資産です。そのため、適切な管理と運用が求められます。

GTMをはじめとするタグマネージャーでは、権限を持っているユーザーがサイト上のすべてのタグを管理できる仕組みになっています。

もし管理が適切でない場合、不適切な設定変更やアクセス権限の不備によって、予期せぬデータの欠損や情報漏えいといったリスクが発生する可能性があります。

そのため、GTMの管理権限は慎重に設定し、必要な担当者にのみ付与することが重要です。

また、GTMのアカウントは外部の業者のものではなく、社内のアカウントを使用して運用することを推奨します。外部のアカウントに依存すると、担当者の変更や契約終了時にアクセスできなくなるリスクがあるため、会社として一元的に管理することが望ましいです。そのため、WEBマーケティング専用のGoogleアカウントを作成し、管理するのが理想的です。

では、どの部署がこのアカウントを作成・管理するのが最適なのでしょうか。

一般的には、WEBマーケティングを主導する部署がアカウントを作成し、管理するケースが多く見られます。しかし、特定の担当部署のみが管理を行うと、長期的に運用が難しくなる可能性があるため、可能な限り経営層に近い上位の部署が管理することが望ましいです。

また、個人アカウントを使用してGTMを管理するのは避けるべきです。個人アカウントの場合、担当者が退職した際にアクセスできなくなるリスクがあるため、組織全体で管理できる共有アカウントを活用しましょう。

さらに、GTMの管理権限が社内で適切に共有されていることも重要です。誰が管理者なのか、どの権限を持っているのかを明確にし、運用体制を整備することで、不測の事態が発生した際にも迅速に対応できます。

結果として、適切なGoogleアカウント管理を行うことで、長期的に安定したデータ収集と効果的なWebマーケティング運用が可能になります。

よくある質問と回答(FAQ)

Q: GTMを導入するのに費用はかかりますか?

A: Googleタグマネージャーは無料で利用できます。ただし、初期設定や運用を外部に委託する際には別途委託費用が発生する場合があります。

Q: GTMを使うとWebサイトが重くなりますか?

A: 適切に設定されていれば、GTMを使用してもWebサイトの表示速度に大きな影響はありません。ただし、不要なタグを追加しすぎるとパフォーマンスに影響を与える可能性があります。

Q: GTMを使えば、すべての分析ツールを簡単に導入できますか?

A: 基本的には可能です。Google AnalyticsやGoogle広告のタグはもちろん、Facebookピクセルやカスタムタグも設定できます。ただし、各ツールごとに必要な設定を確認することが重要です。

Q: GTMの設定はどれくらいの時間がかかりますか?

A: サイトの規模や必要なタグの数によりますが、初期設定は1時間から数時間程度で完了することが多いです。その後の運用では、追加や変更に数分から数十分程度かかります。

Q: GTMの操作は初心者でも可能ですか?

A: 初心者でも操作可能ですが、基本的な知識や設定方法を学ぶ必要があります。Googleが提供する公式のチュートリアルやヘルプを活用するとスムーズに習得できます。

まとめ

Googleタグマネージャー(GTM)は、WEBサイト運営を効率化し、複数のタグを簡単に管理できる便利なツールです。その基本的な役割と設定方法を理解することで、WEBマーケティングの基盤をしっかり構築することができます。企業の初心者マーケティング担当者もぜひ、この機会にGTMを使いこなしてみてください!