企業のWEBサイト担当者の方には、自社のWEBサイトのアクセス数を知りたい、または上司や顧客に「WEBサイトのアクセスはどのくらい?」と聞かれることがしばしばあると思います。
Google Analytics 4(GA4)を利用する場合、一口にアクセス数といってもGA4には様々な指標があり、それぞれ異なる意味を持ちます。それらを正しく理解することで、サイトの状況をより深く把握し、効果的な改善が可能となります。今回は、WEBサイト担当者の方が知っておくと良いGA4のアクセスに関する主要な指標をご紹介します。
「ユーザー数」の様々な指標を理解しよう
WEBサイトのアクセス状況を知る上で、「ユーザー数」は重要な指標の一つです。GA4では、ユーザー数はさらに「総ユーザー数」「新規ユーザー数」「アクティブユーザー数」とに分類されています。
総ユーザー数
サイト全体を訪問したユニークなユーザーの総数です。全期間を通じて何人がサイトにアクセスしたかを示し、全体的な集客力を把握するのに役立ちます。一般的に言われるユニークユーザー数と同様の意味を持ちます。
総ユーザー数は、全期間を通じて何人がサイトにアクセスしたかを示し、サイト全体の集客力を把握するのに役立ちます。例えば、1ヶ月間で総ユーザー数が5,000人だった場合、マーケティング施策やSEOによってサイトがどれだけ多くの人にリーチしているかが分かります。一方で、同じユーザーが何度もサイトを訪問した場合でも、総ユーザー数としては1回だけカウントされます。
新規ユーザー数
初めてサイトを訪問したユーザー数です。
新規ユーザーが多いほど、マーケティング施策やSEOが成功している可能性が高まります。新規ユーザー数が増加している場合、広告やSNSのキャンペーンが成功しており、新たな層にアプローチできていることが分かります。
GA4ではリーピーター数という指標がありませんが、総ユーザー数から新規ユーザー数を引いた数が、リピーター(以前に訪問したことがあるユーザー)に相当します。
アクティブユーザー数
一定期間内にサイトで何らかのアクションを取ったユーザーを指します。
アクティブユーザー数は、実際にサイトを利用し、コンテンツに関心を持っているユーザーを把握する指標として活用できます。例えば、アクティブユーザー数が高い場合、定期的にサイトを利用しているリピーターが多いことを示し、コンテンツがユーザーの関心を引き続けていることが分かります。
新規ユーザー数は、SEOや広告などによるWEBサイトへの集客がうまくいっているかどうかを判断する指標として、アクティブユーザー数は、WEBサイトのコンテンツがユーザーのニーズにマッチしているか、魅力的かどうかを評価する指標として捉えるのに役立ちます。
「セッション数」とは?
セッション数は、ユーザーがサイトを訪問し、一定のアクティビティを行った回数を指します。1回の訪問中に複数のページを閲覧した場合でも、セッションは1回とカウントされます。セッション数を分析することで、ユーザーがどの程度サイトに留まっているかや、コンテンツがどの程度閲覧されているかを把握することができます。
セッション数は、ユーザーがサイトを訪問して一定のアクティビティを行った回数を指します。セッションは、ユーザーがサイトを訪問してから一定の時間内(GA4では30分)に行ったすべてのアクションが1つのセッションとしてカウントされます。たとえば、1回の訪問中にユーザーが複数のページを閲覧しても、それは1つのセッションとして扱われます。
セッション数を分析することで、ユーザーがサイトを訪問してからどれくらいの頻度でアクティビティを行っているか、またサイトにどれくらい滞在しているかを把握することができます。セッション数が増加している場合、ユーザーが積極的にサイト内で複数のページを訪問し、コンテンツに関心を持っている可能性があります。
セッション数とユーザー数の違いとは?
ユーザー数は、ユニークな訪問者の数を示しますが、セッション数はそのユーザーがどれくらいの頻度で訪問しているかを示します。例えば、1人のユーザーが1ヶ月に3回訪問した場合、ユーザー数は1ですが、セッション数は3とカウントされます。
サイトへのユニーク訪問者数を知りたい場合はユーザー数を、ユーザーがどれだけ頻繁にサイトを利用しているかを把握したい場合はセッション数を使うとよいです。
閲覧されたページの総回数を示す「表示回数」
「表示回数」は、サイト内で閲覧されたページの総回数を示します。「ページビュー数(PV数)」とも同義です。
例えば、同じユーザーが一度訪問して同じページを2回、3回と再表示した場合、それぞれの表示がカウントされ、PV数が増加します。この指標は、ユーザーが特定のコンテンツにどれだけ興味を持っているかを判断するのに役立ちます。例えば、製品ページの表示回数が多い場合、その製品が人気であることや注目されていることを示しています。
「表示回数」と「ユーザー数」「セッション数」はどう使い分ける?
「ユーザー数」は、WEBサイトを訪問した個別のユーザーの数を指します。同じユーザーが複数回訪問しても、1人としてカウントされることから、サイト全体の訪問者の規模や、どれだけの新しい人々がサイトにアクセスしているかを測るために有効です。
「セッション数」は、ユーザーがWEBサイトにアクセスしてから離脱するまでの一連の行動を1回のセッションとしてカウントする指標です。同じユーザーが複数回アクセスすると、その都度セッションが増加します。
例えば、あるユーザーが午前中に一度、午後に再度サイトを訪問した場合、2回のセッションとして記録されます。これにより、ユーザーの再訪問傾向や、どの時間帯にアクセスが増加しているかを把握でき、WEBサイトのパフォーマンスを評価するのに役立ちます。
表示回数が多いけれどもセッション数やユーザー数が少ない場合、少数のユーザーが何度も同じページを閲覧している可能性があり、コンテンツ改善の余地があるかもしれません。
また、ユーザー数が増加しているのにセッション数が変わらない場合は、一度訪問したユーザーがリピートしていないことが考えられます。
このように、目的に応じて指標を使い分けることが重要です。
「エンゲージメント率」と「直帰率」
GA4から導入された「エンゲージメント率」は、ユーザーが一定の時間以上サイトに滞在し、何らかのアクションを取った割合を示します。エンゲージメント率が高い場合、ユーザーがサイトに興味を持ち、積極的に行動していることがわかります。一方で、「直帰率」は、ユーザーが最初に訪れたページだけを見てサイトを離れた割合を示します。
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[GA4]でWEBサイトの「直帰率」を確認するにはどうすればいい?
エンゲージメント率とその他のアクセス指標と組み合わせることで、WEBサイトの現状をより深く分析することができます。
ユーザー数と組み合わせる
エンゲージメント率が高く、ユーザー数も多い場合、多くのユーザーがコンテンツに興味を持ち、サイト上でアクションを取っていることがわかります。反対に、ユーザー数が多くてもエンゲージメント率が低ければ、ユーザーがすぐにサイトを離脱している可能性が高いです。
セッション数と組み合わせる
セッション数が多く、エンゲージメント率も高ければ、再訪したユーザーも含め、複数のアクションを取るユーザーが多いことを示します。セッション数が多くてもエンゲージメント率が低い場合は、ユーザーが短時間でサイトを離れているか、深く関与していないことがわかります。
表示回数と組み合わせる
表示回数が多く、エンゲージメント率が高い場合、表示されたページやコンテンツがユーザーにとって有益であることを意味します。表示回数が多くてもエンゲージメント率が低い場合、ページを訪れたものの、すぐに離脱するユーザーが多い可能性があります。
まとめ
GA4には、ユーザー数、セッション数、ページビュー数、エンゲージメント時間、キーイベントなど、サイトの状況をさまざまな角度から分析できる指標が揃っています。特に、ユーザー数は新規、アクティブ、総ユーザーといった区分で分析できるため、どのユーザー層がどのようにサイトに関わっているかを理解するのに役立ちます。これらの指標を活用して、サイトのパフォーマンスを正確に把握し、効果的な改善を進めていきましょう。
GA4を使いこなして、データに基づいた戦略的なサイト運営を目指しましょう!